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Profile

東山 大毅 博士(理学)
HIGASHIYAMA, Hiroki  Ph.D

生物の複雑なカタチに興味をもち、脊椎動物を用いて形態形成のプロセスやその進化を研究しています。

ウィリアム・ブレイクは1794年の詩、"The Tyger"において、夜闇に燦爛と燃える虎の、ゾッとするような畏るべき(fearful)均整を讃え、その裏の創り手に思いを巡らせたわけだが、少なくとも文字通り捉える限り、自分が研究を続ける動機も概ねこの一篇に類するように思える。心をときめかす複雑な迷宮は数あれど、しかし生物の紡ぐ形態ほどゾッとする美しさを誇るものは他にあるまい。こと脊椎動物では神経や脈管、筋骨格系などが複雑に絡み合い機能的に関連し合って個体を成しているわけだが、その精緻さには驚嘆させられるばかりだ。ただ無暗に複雑というわけにはあらづ。個体の解剖学的構造には、ティラノサウルスやヤツメウナギだろうと、虎や仔羊と同じく、ある程度の制約されたボディプランのようなルール(観察の蓄積という経験則に基づくものだが) があり、そうしたルールの呆れるほどまでの保守性と時折の破綻によって我々の身体は形づくられている。これがたった一つの未分化な細胞からの胚発生、そしてそれが何世代も積み重なった末にある進化の産物というのだから、まさに自分たちは眼前にある動物の形を、あるいは自身の身体を前に、畏怖すべき自然現象の蓄積を見て取れるのである。大層な書き方をする割には随分初歩的なことをと思われる向きもあるかもしれないが、しかし結局のところ私が最も知りたいのは、こうした「カタチ」が脈々と受け継がれ進化してきた、その仕組みに他ならないのだ。

以上のような動機に突き動かされて、これまで脊椎動物を中心に、比較形態学をベースとした研究をおこなってきた。主にはモデル/非モデル問わず現生の脊椎動物胚を用いた比較発生学や様々な分子実験、また化石記録を用いた古生物学的比較をも手法として用いている。現在のところは個々の構造の進化を現象論的な記述として説明するような研究がほとんどだが、将来的には複雑な形態学的構造の進化を、もっとこう機構論的に、メカニズムとしてナントカ説明できないかなぁ...とウダウダ悩んでいるこの頃である。そのうち脊椎動物以外の形態にも拡げてみたい。(2022年3月)  


【略歴】

  • 2020年4月 - 現在      
    ・東京大学医学系研究科 代謝生理化学教室 特任研究員
  • 2017年4月 - 2020年3月 
     ・東京大学医学系研究科 代謝生理化学教室
     ・日本学術振興会 特別研究員SPD 
  • 2014年3月 - 2017年4月 
     ・東京大学農学生命科学研究科 獣医解剖学教室 特任研究員
  • 2011年4月 - 2014年3月
     ・神戸大学 理学研究科 生物学専攻
           連携講座 発生生物学 (理化学研究所) 博士課程後期【博士(理学)】
     ・日本学術振興会 特別研究員DC1
  • 2009年4月 - 2011年3月 
     ・神戸大学 理学研究科 生物学専攻
        連携講座 発生生物学 (理化学研究所) 博士課程前期【修士(理学)】
  • 2005年4月 - 2009年3月
      ・筑波大学 第二学群 生物学類【学士】


教育歴・担当科目

  • 2022年9月 - 2023年3月    武蔵野美術大学 『動物の身体と進化A・B』(非常勤講師・単独・オンライン)
  • 2021年9月 - 2022年3月    武蔵野美術大学 『動物の身体と進化A・B』(非常勤講師・単独・オンライン)
  • 2019年9月 - 2020年3月    武蔵野美術大学 『動物解剖学ⅡA・B 』(非常勤講師・単独)
  • 2017年9月 - 2018年3月    武蔵野美術大学 『動物の身体と進化A・B』(非常勤講師・単独)



在外研究活動

  • 2018年6月 短期研究滞在 テュービンゲン大学 (Eberhard Karls Universität Tübingen), ドイツ
  • 2018年7月 短期研究滞在 ベルリン自然史博物館 (Museum für Naturkunde, Berlin), ドイツ


【連絡先】

〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1
東京大学 医学系教育研究棟5階 代謝生理化学教室

Email: higashiyama.hiroki(at)gmail.com

information: ORCID/ ResearchgateResearchmap


【外部資金等獲得実績】

研究代表者

  • 日本学術振興会: 科学研究費助成事業 若手研究 『頭部の解剖学的構築プランはどこまで発生由来を反映するのか、またその機構は何か』20K15858 実施期間:2020年4月 - 2024年3月 
  • 日本学術振興会: 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域 "進化制約方向性 ~微生物から多細胞生物までを貫く表現型進化原理の解明~"  公募班『顔面原基のプロポーションが哺乳類系統でだけ激変した背景にある、発生上の制約』20H04858 実施期間:2020年4月 - 2022年3月
  • 日本学術振興会: 科学研究費補助金: 特別研究員奨励費『羊膜類における顔面構造の形態形成とその進化』17J11177    実施期間:2017年4月 - 2020年3月
  • 日本学術振興会: 科学研究費補助金: 特別研究員奨励費『脊椎動物における、上顎領域の起源と形態進化』11J00778     実施期間:2011年4月 - 2014年3月
  • 日本学術振興会:組織的な若手研究者等海外派遣プログラム 2011年7月


分担者

  • 日本学術振興会: 科学研究費補助金: 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))『頭蓋骨解剖学体系の枠組みから外れた未知の新奇形質「耳舌骨」の多角的解明』18KK0207 実施期間2018年4月 - 2021年3月  研究代表者:小薮 大輔
  • JRPs-LEAD with DFG (Deutsche Forschungsgemeinschaft: DE) "Combing Paleontology and Developmental Biology to Understand Skull Evolution in Turtles" 415747545          研究代表者:Ingmar Werneburg, Daisuke Koyabu 


【受賞歴】

  • 2022年        日本進化学会 研究奨励賞 「複雑な構造から解読する脊椎動物の形態進化  
  • 2018年8月     若手口頭発表優秀賞, 日本進化学会
  • 2017年            Reinhard Rieger-Award in zoomorphology
  • 2016年         奨励賞, 日本獣医解剖学会
  • 2015年6月  優秀ポスター賞, 第15回東京大学生命科学シンポジウム
  • 2012年9月  Poster Award (Silver Prize), The 11th RIKEN CDB Retreat
  • 2012年9月  Young Investigator's Poster Award, The 11th RIKEN CDB Retreat